Visual Studio2019で空のプロジェクトを作成しよう
概要
最終更新日:2020/05/22 Visual Studio2019でC/C++用の空のプロジェクトを作成する方法について書いた記事です。 主に次の項目に該当する方に向けて書いています。
- Visual Studio2019で空のプロジェクトを作成したい
- C/C++言語の学習をVisualStudioで始めたい
- ソースファイルの追加と削除の方法が知りたい
Visual Studio起動
Visual Studioの起動方法は一般的なアプリの起動と同じ方法で行うことができます。 今回は以下の二つの方法を紹介します。
- スタートメニューからの起動
- 検索機能を使った起動
スタートメニューからの起動
スタートメニューからの起動はまずスタートボタンをクリックしてメニューを表示させます。 スタートボタンは画面左下の窓アイコンです。 スタートボタンをクリックしてメニューが表示されたら、左側のアプリのリストを スクロールして「V」の位置まで移動させます。 Vの位置にはインストールされたVisual Studioがリストアップされているので 起動したいバージョンをクリックすれば起動します。
検索機能を使った起動
検索機能を使った起動はまずスタートボタンの右側にある入力項目に 「Visual Studio」と入力をします。 ※1.VisualとSutdioの間にはスペースがいるので注意してください。 ※2.Visualの段階でリストアップされますが、記事では全て入力しています。 入力すると検索結果が表示されるので、その中から起動したいバージョンを クリックすれば起動します。
新規プロジェクト作成
ここからは新規プロジェクト作成方法について説明します。
スタート画面
新しいプロジェクトの作成はVisual Studio2019の初期画面で右下にある 「新しいプロジェクトを作成」をクリックします。
プロジェクト作成画面
プロジェクト作成画面ではプロジェクトの設定を行います。 設定する項目は以下の通りです。
- 使用言語
- プロジェクトの種類
- 次へ
今回は「C/C++で空のプロジェクトを作成する」という記事なので ①の使用言語は「C++」②のプロジェクトの種類は「空のプロジェクト」を選択し、 ③の「次へ」ボタンをクリックします。
空のプロジェクトとは
空のプロジェクトとは文字通り何もないプロジェクトのことです。 他のプロジェクトを設定した場合は、それらのプロジェクトの特性に合わせた設定や ソースファイルが用意されているのですが、空のプロジェクトでは そういったことがありません。 最初から作っていくことができるプロジェクトです。
プロジェクト構成
最後は以下のようにプロジェクトの名前や作成場所を決めます。 ①~③の設定が完了したら、④の「次へ」をクリックしてください。
- プロジェクト名
- 場所
- ソリューション名
- 次へ
設定画面内で「ソリューション」という単語が出たのでまずはそちらから説明します。
ソリューション
ソリューションとは複数のプロジェクトを格納するコンテナ(入れ物)のことです。 開発では一つのアプリを開発するためにプロジェクトを複数作成することがあります。 それらをバラバラに管理しなくて済むように一つにまとめる方法が このソリューションを使った方法です。 上の図のように一つのソリューションが複数のプロジェクトを管理することで、 全体の管理が非常に楽になります。 初心者の方は学習中は一つのソリューションにつき、一つのプロジェクトで問題ありません。 ただ、ソリューションとは何かということは覚えておいてください。
①.プロジェクト名
プロジェクト名は開発するアプリやゲームの名前であったり、学習目的なら 日付や学習内容など「何をするため」のプロジェクトかが分かるようにつけてください。 適当に名前をつけると後で使用する時に、名前だけでは何か分からないため わざわざプロジェクトを開いたり、ソースファイルを確認したりする必要が出ます。 そうならないように、意味のある名前を設定してください。
②.作成場所
作成場所はVisualStudioがデフォルトで設定しています。 もし、作成場所を変更したい場合は右側にある「…」をクリックすれば 場所を変更するためのウィンドウが表示されるので、簡単に変更可能です。
③.ソリューション名
ソリューション名は複数のプロジェクトを管理することがない場合は プロジェクト名と同じ名前で問題ありません。 複数のプロジェクトを管理する場合、別の名前をつけた方が管理しやすくなります。 ただ、これは開発内容や環境によって異なると思いますので、 絶対に変更した方がいいわけではありません。
プロジェクト作成完了
これで新しいプロジェクトが完成しました。 空のプロジェクトの場合、何もないのでこの状態では何も起こりませんが、 これで開発を始めることができます。
既存のプロジェクトを開く
既に作成してあるプロジェクトを開く方法はいくつかあるので、 今回は以下の方法を紹介します。
- 履歴から開く
- 「プロジェクトやソリューションを開く」を使う
- ソリューションファイルから開く
履歴から開く
VisualStudio2019のスタート画面の左側は今まで使用した プロジェクトの履歴になっています。 この履歴から開きたいプロジェクトを見つけてクリックするだけで開くことができます。
「プロジェクトやソリューションを開く」を使う
VisualStudio2019のスタート画面の右側には、いくつかの項目があります。 既存のプロジェクトを開くには「プロジェクトやソリューションを開く」を使用します。 この項目をクリックすると選択用のウィンドウが表示されます。 このウィンドウから開きたいプロジェクトがあるところまで移動し、 ソリューションファイルかプロジェクトを選択すると 指定したプロジェクトを開くことができます。 ソリューションファイルの拡張子は「.sln」プロジェクトファイルは「.vcxproj」です。
拡張子表示方法
拡張子とはファイルの種類を表す識別子です。 有名なところでテキストの「txt」画像の「png」や「jpg」動画の「mp4」などがあります。 この拡張子はPCの設定によって表示されていないことがありますが、 PGを目指す方は拡張子にふれることが多いので、表示設定をONにした方がいいと思います。 設定方法は以下の手順で行うことができます。
- 適当なフォルダを開く
- 上段メニューの表示をクリックする
- 設定項目の「ファイル名拡張子」にチェックを入れる
チェックを入れると拡張子が表示されます。
ソリューションファイルから開く
最後はソリューションファイルを直接クリックして開くという方法です。 開きたいプロジェクトのフォルダを開き、その中にあるソリューションファイルを ダブルクリックして開きます。
新規ファイルの追加
プロジェクトの作成が完了したのでファイルの追加方法の説明をします。 まずはプロジェクト内で新しいファイルを追加する方法です。 新規ファイルの作成は「ソリューションエクスプローラー」で行います。 ソリューションエクスプローラはソリューション内のプロジェクトやファイルを 管理している画面です。 ここでプロジェクトやファイルの追加、削除ができます。 空のプロジェクトの場合、エクスプローラーにはデフォルトで「ソースファイル」等の 三つのフィルタが用意されています。 フィルターとはファイルを管理しやすくするための機能で、ファイルが増えてきたら 用途ごとのフィルタを作成して管理していきます。 ファイルの作成はフィルタを右クリックすることから始まります。 作成方法は前半と後半に分けて説明します。 まず、前半は以下の手順です。
- フィルタを右クリックする
- 表示されたメニューから「追加」をクリックする
- 更に表示されたメニューから「新しい項目」をクリックする
フィルタはデフォルトの中ではソースフィルタが一番適しているので ソースフィルタを右クリックしてください。 次は後半の手順です。 ①~③までの設定確認ができたら、追加ボタンをクリックします。
- ファイルの種類を決める
- 名前を決める
- 作成される場所を確認する
- 追加をクリック
ファイルの種類を決める
最初は追加するファイルの種類を決めます。 複数の選択肢がありますが、今回は「C++ファイル」を選択してください。
名前を決める
次にファイル名を決めます。 ファイル名はそのファイルで行いたいことが分かる名前にしてください。 例えばゲームでプレイヤーの挙動を実装するためのソースファイルなら 「Player.cpp」にして他の人が見ても内容を想像できる名前にします。 ※学習用では特に決まりはありません。 筆者は「Main.cpp」か「main.cpp」のどちらかにしています。 最後にファイル名は出来る限り英語でつけるようにしてください。 PGの世界ではソースファイルなどに日本語のファイル名をつけることは あまり歓迎されていません。 そのため、出来る限り日本語ではなく英語で名前をつける習慣を作ってください。 (ローマ字もNGです)
作成される場所を確認する
作成されるファイルは基本的にプロジェクトファイルのある フォルダに作成されるようになっています。 ですが、ファイルの数が多くなると場所を変更したりすることが多々あるので、 どこに作られるのかの確認は初心者のうちから心がけるようにして下さい。 また、場所の変更は「参照」から変更可能です。
作成完了
追加ボタンを押したらフィルターの中に新しいファイルが作成されます。
既存のファイルの追加
ファイルは新しく作成するだけではなく、既に作成されたファイルをプロジェクトに 追加することもできます。 追加方法は以下の手順で行えます。
- フィルタを右クリックする
- 表示されたメニューから「追加」をクリックする
- 更に表示されたメニューから「既存の項目」をクリックする
- 追加したいファイルを指定する
- 「追加」ボタンをクリックする
既存のファイル追加の注意点
既存の項目で追加したファイルは注意が必要です。 例えば下の画像のようなファイル構成でA.cppをプロジェクトに追加したとします。 追加予定のファイルはプロジェクトのフォルダとは別のファルダにあります。 この時のA.cppのファイルパスは以下のようになります。 プロジェクトで管理されているファイルはからの*.vcxproj相対パスになります。 この状態でA.cppを別の場所に移動したり、削除した場合、 プロジェクトはファイルを見失います。 新規作成の場合、プロジェクトファイルのあるフォルダにファイルが作成されるため、 ファイルを移動したり、削除したりするとすぐに気づくことができますが、 今回のように別のフォルダのファイルを追加した場合は参照関係にあることを忘れてしまい、 誤って移動や削除を行って、その結果プロジェクトが動かなくなる可能性があります。 このようなことにならないようにするために、既存のファイルを追加する場合は プロジェクト管理化にあるフォルダにファイルを移動させた上で追加するなどして 対策を行って下さい。
ファイルの削除
次は不要なファイルをプロジェクトから削除する方法です。 削除手順は以下の流れで行います。
- ファイルを右クリックする
- 表示されたメニューから「削除」をクリックする
- 表示されたウィンドウから「除外」か「削除」を選んでクリックする
手順は非常に簡単です。 ここでは、手順③の除外と削除の違いについて説明します。 違いはフォルダからファイルが削除するかしないかです。 ファイルが作成されたら作成場所に指定されたフォルダにファイルが追加されます。 除外の場合、プロジェクトの管理から削除されますがフォルダにファイルは残ります。 (プロジェクトの管理からの削除 => ソリューションエクスプローラーから消える) 削除はプロジェクトの管理からも、フォルダからも削除されます。 二つの特性を理解して、上手に利用してください。
HelloWorldを出力してみよう
せっかく新規プロジェクトを作成したので、実際にプログラムを打って動かしてみます。
#include <stdio.h>
int main()
{
printf("Hello World");
return 0;
}
上のコードをソースファイルに打ち込んだらキーボードの「F5」を押してください。
F5キーを押すと「ビルド」と呼ばれるプログラムを動かす機能が動きます。
それによって、打ち込んだプログラムに間違いがなければ
ウィンドウが表示されて「Hello World」と出力されるはずです。
もし、「ビルドエラーが発生しました」と書かれたウィンドウが表示されたら
プログラム中に間違いがあったということなので、上のコードと自分のコードを比較して
間違い探しをして下さい。
分かりやすい間違いの場合VisualStudioが間違いの付近に赤線を引いてくれるので
参考にしてみてください。