カメラ
■カメラの基本
3次元空間を撮影する3Dカメラの基本的な動作は、 移動と回転、注視点と画角の変更です。![]()
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■カメラの動き
カメラの動きの基本は映画の撮影方法が使用されていますので、 そちらの説明をしたいと思います。 ●フィックス 被写体に対してカメラを固定した状態で撮影することで 見やすく安定した画になります。●ドリー 被写体の移動に合わせて前後左右にカメラ移動します。 背景が動くため迫力のある画になります。 前に移動することをドリーイン、 後ろに移動することをドリーアウトとも呼びます。
●パン(ヨー) パンはカメラのY軸回転を行います。 空間の大きさや人物の位置関係を表現しやすい手法です。 人の首と目で追っているのと同じ視点なので ドリーよりも主観的な画になります。
●ティルト(ピッチ) ティルトはカメラのX軸回転を行います。 被写体の大きさを示すときや上下の動きを フォローするときに使用します。 下から上に変更することをティルトアップ、 上から下に変更することをティルトダウンと呼びます。
●ロール ロールはカメラのZ軸回転を行います。 天地が回転するような描写になり、見る側に強い強いインパクトを 与えますが、見る側に安定感を与えない構図になります。 フライトシミュレーションのようなロールの画が 必要なゲームやカットシーンなどで限定的に使用されています。
●ズームイン、ズームアウト ズームインとズームアウトはカメラの画角を変更して行います。 演出効果としてはズームインは被写体の内容を強調し、 ズームアウトは被写体の周りの状況を知らせることができます。 ●ズームとドリーを合わせた手法 ズームとドリーの操作を同時で行うと変わった効果を発揮します。 ズームインしながらドリーアウトを行うと、 被写体との距離は変わりませんが、より被写体を強調している 描写になります。 これは魔法を使用するときなどに意識が集中する様子の表現に 使用できると思います。 逆にズームアウトしながらドリーインをすると強調を取り消した (集中を解放した)感覚を演出できます。 以下の図はズームイン、ドリーアウトの例です。 画角とZ軸の座標以外の変更は行っていませんが 画角20度の方が被写体を強調しているのがわかるかと思います。
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■約束事
カメラの挙動を作成する上でやらない方が良いと言われている約束事が いくつかありますので、紹介したいと思います。 ●30度ルール 30度ルールとはカメラを瞬時に30度以上変更しないようにする カメラワークのことです。 瞬時にカメラの角度を変更した場合、ユーザーは30度以内なら 「カメラが向きを変えた」と理解しますが、30度を超えると 別のカット(画面)になったと思う可能性があります。 なので、30度以上の変更を行う時は数フレームに分けるなどして ユーザーが不満を抱かないように対応する必要があります。●180度ルール 180度ルールとはイマジナリーラインを超えないようにする カメラワークのことです。 対話している二人を結ぶ線をイマジナリーラインと呼び、 このイマジナリーラインを超えてカメラが移動するような カット割りを作ってしまうと対話しているように 見えなくなります。
上の図でカメラAからカメラD、またはカメラDからカメラAへ カメラが切り替わるとイマジナリーラインを 超えたカットになり、ユーザーは位置関係に違和感を 覚えることになります。 180度ルールの解決方法も30度ルールと同様に時間をかけて 移動することですが、それでも多少の違和感が残ります。
■カメラ範囲とオブジェクト行動範囲
3Dでは以下の設定を行うことがあります。 ①.「カメラから見える範囲」 ②.「カメラに映らないけどオブジェクトが動作する範囲」 ③.「カメラに映らないオブジェクトが休止する範囲」この範囲を設けている理由としては見えないオブジェクトを 全て動作させていると処理負担が大きいからです。 そのため、ある程度オブジェクトにカメラが近づいたら 動作を開始するようにします。 この範囲設定ですが、敵やステージの行動やギミック、 そのゲームの処理に余裕があるかなどの要素が絡みますので 適切な範囲というものはありません。
■3D酔い(カメラ酔い)
3Dゲームをプレイしていると車酔いに似た現象を起こすことがあります。 この現象を3D酔い(カメラ酔い)といいます。 3D酔いは目で見ているゲーム映像と脳内がこれまで体験してきた 身体経験のズレが原因で起こるといわれています。 ●酔わないカメラワーク 現在のゲーム開発において「絶対に酔わないカメラ」の作り方はわかっていません。 しかし、「酔いやすいカメラ」についてはある程度明確になってきていますので そちらを紹介したいと思います。 ・短い間隔の縦揺れ リアリティを出すためにプレイヤーが移動するたびに 短い間隔の縦揺れをさせたりすると非常に酔いやすくなります。 ・対策 この問題の対策は縦揺れをなくすか、 1回の揺れの間隔を長くするしかありません。・パンとティルトの連続使用 パン、またはティルトを連続で使用すると酔いやすくなります。 ・対策 回転の速度を落としたり、 画角などを変更して画面に映る情報を増やして 振らなくてもいい状況作ることですが ゲームの性質上で避けられない問題でもあります。
・ロックオン機能 ロックオン機能で敵を追いかける状況があると思いますが、 そのときにロックの対象が上下左右に移動する オブジェクトだったりすると、パン、ティルトの連続使用と 同じ効果になり、ユーザーが酔いやすくなります。 ・対策 3D酔いの危険性がある対象だけ 追尾ではなく、カメラを一歩引いた状態に変更し、 カメラを揺らさない状況を作るようにします。
●ドリー
被写体の移動に合わせて前後左右にカメラ移動します。
背景が動くため迫力のある画になります。
前に移動することをドリーイン、
後ろに移動することをドリーアウトとも呼びます。
●パン(ヨー)
パンはカメラのY軸回転を行います。
空間の大きさや人物の位置関係を表現しやすい手法です。
人の首と目で追っているのと同じ視点なので
ドリーよりも主観的な画になります。
●ティルト(ピッチ)
ティルトはカメラのX軸回転を行います。
被写体の大きさを示すときや上下の動きを
フォローするときに使用します。
下から上に変更することをティルトアップ、
上から下に変更することをティルトダウンと呼びます。
●ロール
ロールはカメラのZ軸回転を行います。
天地が回転するような描写になり、見る側に強い強いインパクトを
与えますが、見る側に安定感を与えない構図になります。
フライトシミュレーションのようなロールの画が
必要なゲームやカットシーンなどで限定的に使用されています。
●ズームイン、ズームアウト
ズームインとズームアウトはカメラの画角を変更して行います。
演出効果としてはズームインは被写体の内容を強調し、
ズームアウトは被写体の周りの状況を知らせることができます。
●ズームとドリーを合わせた手法
ズームとドリーの操作を同時で行うと変わった効果を発揮します。
ズームインしながらドリーアウトを行うと、
被写体との距離は変わりませんが、より被写体を強調している
描写になります。
これは魔法を使用するときなどに意識が集中する様子の表現に
使用できると思います。
逆にズームアウトしながらドリーインをすると強調を取り消した
(集中を解放した)感覚を演出できます。
以下の図はズームイン、ドリーアウトの例です。
画角とZ軸の座標以外の変更は行っていませんが
画角20度の方が被写体を強調しているのがわかるかと思います。
●180度ルール
180度ルールとはイマジナリーラインを超えないようにする
カメラワークのことです。
対話している二人を結ぶ線をイマジナリーラインと呼び、
このイマジナリーラインを超えてカメラが移動するような
カット割りを作ってしまうと対話しているように
見えなくなります。
上の図でカメラAからカメラD、またはカメラDからカメラAへ
カメラが切り替わるとイマジナリーラインを
超えたカットになり、ユーザーは位置関係に違和感を
覚えることになります。
180度ルールの解決方法も30度ルールと同様に時間をかけて
移動することですが、それでも多少の違和感が残ります。
この範囲を設けている理由としては見えないオブジェクトを
全て動作させていると処理負担が大きいからです。
そのため、ある程度オブジェクトにカメラが近づいたら
動作を開始するようにします。
この範囲設定ですが、敵やステージの行動やギミック、
そのゲームの処理に余裕があるかなどの要素が絡みますので
適切な範囲というものはありません。
・パンとティルトの連続使用
パン、またはティルトを連続で使用すると酔いやすくなります。
・対策
回転の速度を落としたり、
画角などを変更して画面に映る情報を増やして
振らなくてもいい状況作ることですが
ゲームの性質上で避けられない問題でもあります。
・ロックオン機能
ロックオン機能で敵を追いかける状況があると思いますが、
そのときにロックの対象が上下左右に移動する
オブジェクトだったりすると、パン、ティルトの連続使用と
同じ効果になり、ユーザーが酔いやすくなります。
・対策
3D酔いの危険性がある対象だけ
追尾ではなく、カメラを一歩引いた状態に変更し、
カメラを揺らさない状況を作るようにします。
